性別違和の原因は、現在も研究が続けられており、はっきりとは解明されていません。しかし、生まれつきの体質やホルモンの影響などが関係している可能性があると考えられています。
また、性自認の形成にはさまざまな要素が関わると考えられていますが、特定の原因だけで説明できるものではありません。そのため、親の育て方や本人の意思によるものではないと考えられています。
性別違和は誰にでも起こりうるものであり、本人や家族が自分を責める必要はありません。
「自分の性別に違和感がある」「生まれた体と心の性別が一致しない気がする」と悩んでいても、それが何なのか、誰かに相談してよいのかと迷っている方は少なくありません。性別違和に関する悩みについては、医療機関や支援機関で相談することができます。この記事では、性別違和の基本的な知識から相談先、治療法、家族の接し方までわかりやすく解説します。
性別違和とは、出生時に割り当てられた性別と自分が認識している性別との間に違いがあり、そのことに悩みや苦痛を感じている状態を指します。
以前は「性同一性障害」という診断名が用いられていましたが、現在は「性別違和」や「性別不合」などの表現が使われています。現在の診断基準では、性別に関する違いそのものではなく、それに伴う苦痛や生活上の支障などを踏まえて診断や支援が行われます。
性別違和の感じ方や悩みの現れ方は人それぞれで、子どもから高齢者まで幅広い年代でみられます。性別に関する悩みが続き、学校や職場、人間関係などに影響が出ている場合は、精神科や心療内科などの医療機関への相談を検討しましょう。
性別違和による悩みや困りごとは、身体面・心理面・社会面などさまざまな場面でみられます。以下に代表的な例を紹介します。
これらの悩みが長期間続いたり、学校生活や仕事、人間関係などに支障をきたしたりしている場合は、精神科や心療内科などの医療機関への相談を検討してみましょう。
性別違和の原因は、現在も研究が続けられており、はっきりとは解明されていません。しかし、生まれつきの体質やホルモンの影響などが関係している可能性があると考えられています。
また、性自認の形成にはさまざまな要素が関わると考えられていますが、特定の原因だけで説明できるものではありません。そのため、親の育て方や本人の意思によるものではないと考えられています。
性別違和は誰にでも起こりうるものであり、本人や家族が自分を責める必要はありません。
性別違和に関する悩みは、一人で抱え込まずに専門家へ相談することが大切です。主な相談先には、精神科・心療内科、カウンセリング機関、学校の相談窓口などがあります。
性別違和に関する診断や心理的なサポートを受けられます。初めて受診する場合でも、「性別について悩んでいる」と伝えるだけで構いません。
公認心理師や臨床心理士によるカウンセリングでは、気持ちの整理や自己理解を深めるサポートを受けられます。また、子どもの場合はスクールカウンセラー、自治体の相談窓口を利用する方法もあります。
どの相談先が適しているかは人それぞれです。性別に関する悩みが続いている場合は、まずは話しやすい窓口へ相談してみましょう。
性別違和の診断では、性別に関する悩みやこれまでの経過、生活への影響などを丁寧に確認します。必要に応じて身体面や心理面も確認し、一人ひとりの状態を総合的に評価します。
問診
ガイドラインに沿って、性別に関する悩みについて丁寧にお話を伺います。出生時に割り当てられた性別と自分が認識する性別(性自認)との間に、いつ頃から違和感を感じているのか、どのような苦痛や生活への影響があるのかを確認します。幼少期から現在までの経過も伺いながら、本人の気持ちや悩みを慎重に評価します。一人ひとりの状態に合わせて診断や支援の方針を検討します。
身体的疾患やホルモン異常の確認
性別に関する違和感の背景に、身体的な病気やホルモンの異常などがないかを確認します。必要に応じて、内科や産婦人科、泌尿器科などの提携医療機関と連携し、身体の状態を詳しく調べます。さまざまな可能性を確認したうえで診療を受けられるよう、一人ひとりの状態に合わせて診断を進めます。
精神疾患や心理面の評価
性別に関する悩みが続くことで、うつ病や適応障害などの心の不調を伴うことがあります。また、ASDやADHDなどの発達特性が、生活上の困りごとに関係している場合もあります。当院では日本精神神経学会 精神科専門医による診察に加え、必要に応じて公認心理師による心理検査も行います。心の不調や発達特性なども含めて状態を確認し、一人ひとりに合わせた診療や支援につなげます。
性別違和の治療やサポートは、本人の悩みや希望、生活状況などに応じて検討します。
性別に関する悩みや、周囲の理解が得られないことなどから生じる不安や落ち込みなどを和らげるために、心理カウンセリングを行います。公認心理師などとの対話を通じて、自分の気持ちや性別に関する悩みを整理し、自分らしい生き方について考えられるようサポートします。性自認を変えることを目的とするのではなく、日々の生きづらさや心の不調に対処できるよう、一人ひとりに合わせてサポートします。
本人が認識している性別に合わせて、身体の変化を希望する場合には、ホルモン療法などの身体的な治療が選択肢となることがあります。治療を行う場合は、必要な診察や検査を受けたうえで、治療による変化や副作用などについて十分に説明を受けることが大切です。身体への影響や将来の健康についても考慮しながら、本人の希望や状態に合わせて治療方針を検討します。
家庭や学校、職場などで、自分が認識する性別に合った生活を送るためのサポートを行います。服装や髪型、名前の呼ばれ方、トイレや更衣室の利用など、日常生活で困っていることを整理し、本人が安心して過ごせる方法を考えていきます。学校や職場などの周囲への伝え方についても、本人の希望や状況に合わせて検討します。
性別違和そのものを薬で治療するわけではありませんが、性別に関する悩みや周囲との関係などから生じる強い不安や落ち込み、不眠などに対して、薬物療法を行うことがあります。症状や体調に合わせて薬の種類や量を調整し、心身の安定をサポートします。必要に応じて心理カウンセリングなども組み合わせながら、一人ひとりに合った治療を検討します。
次のような悩みや困りごとがある場合は、精神科や心療内科への相談をご検討ください。
性別に関する悩みの感じ方や程度は人それぞれです。気になることがあれば、無理に一人で解決しようとせず、まずはお気軽にご相談ください。
当院では、性別に関する悩みに伴う不安や抑うつ、不眠などの心の不調について診療しています。ASDやADHDなどの発達特性についても、日本精神神経学会の精神科専門医が診察し、一人ひとりの状態に合わせた治療や支援を検討します。
また、公認心理師と連携したカウンセリングにも対応しています。性自認を変えることを目的とせず、性別に関する葛藤や周囲との関係、家庭・学校・職場での困りごとなどについて、気持ちや状況を整理しながら対応を一緒に考えます。
必要に応じて、不安や抑うつ、不眠などに対する薬物療法も行います。
なお、ホルモン療法や手術などの身体的治療、それに伴う鑑定・診断書の発行には対応しておりません。
初めての受診では、ご予約後にご来院いただき、問診票をご記入いただきます。その後、医師による診察を行い、必要に応じてお薬の処方や次回のご予約をご案内します。初診の診察時間は10〜15分程度が目安です。なお、混雑状況によっては、診察まで30〜40分程度お待ちいただく場合があります。
「何を話せばよいかわからない」と感じていても大丈夫です。診察室では、日頃から気になっていること、つらいと感じていることを、思いつくままお話しください。ご家族の付き添いにも対応しております。お子さまの受診の際には、保護者の方とご一緒にいらしていただくことも可能です。
家族から性別違和について打ち明けられた際、戸惑いや不安を感じることは自然なことです。しかし、家族の理解や支えは、本人の精神的な安定に大きく影響します。
まずは本人の話をよく聞き、「気のせいだ」「一時的なものだ」と否定せず、気持ちに寄り添う姿勢を大切にしましょう。また、本人が希望する呼び名や呼称があれば、できる範囲で尊重することも大切です。
すぐにすべてを理解する必要はありませんが、「あなたのことを大切に思っている」という気持ちを伝えることが安心感につながります。家族だけで抱え込まず、必要に応じて医療機関や相談窓口を活用することも大切です。
性別違和について、よくいただくご質問にお答えします。
性別違和は、性別に違和感を抱いていること自体を「病気」とみなすものではありません。現在では、性別のあり方そのものではなく、そのことによって生じる苦痛や生きづらさに対して支援を行うという考え方が主流になっています。
ただし、性別に関する悩みによって強いストレスや生活上の支障が生じている場合は、精神科や心療内科で相談することができます。一人で抱え込まず、必要に応じて医療機関へ相談しましょう。
「性同一性障害」は、以前使われていた診断名です。現在は「性別違和」という表現が用いられることが一般的です。 名称は変わりましたが、本人が抱える悩みや支援の必要性が否定されたわけではありません。現在も、性別に関する悩みがある場合は、精神科や心療内科などで相談することができます。