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解離性障害

disease

解離性障害について

「気づいたら時間が飛んでいる」「自分が自分でないような感覚がある」「気持ちや行動が突然変わると周囲から言われる」こうした体験に不安を感じたことはないでしょうか。

これらの症状が続いている場合、解離性障害の可能性があります。この記事では、解離性障害の主な症状や原因、治療法についてわかりやすく解説します。症状に不安を感じている方や、ご家族の様子が気になっている方は、ぜひ参考にしてください。

解離性障害(かいりせいしょうがい)とは

解離性障害とは、意識や記憶、感情、行動、自分自身に対する認識などのつながりがうまく保てなくなる精神疾患です。通常、人は自分の記憶や感情、行動を一つのまとまりとして認識しています。しかし、解離性障害ではそのまとまりが保てなくなり、記憶が抜け落ちたり、自分が自分ではないように感じたり、現実感が失われたりすることがあります。

解離はもともと、強いストレスやつらい体験から心を守るために働く自然な反応です。しかし、この反応が強くなりすぎたり長く続いたりすると、日常生活に支障をきたす場合があります。

解離性障害とはどのような状態?

解離性障害は、記憶や意識、感情などが一時的にうまく結びつかなくなり、以下のような状態になることがあります。

  • 特定の出来事や行動を思い出せない
  • 気づかないうちに時間が経過している
  • 自分が自分でないように感じる
  • 自分の体や考えを外側から見ているように感じる
  • 周囲の景色や人が現実ではないように感じる
  • 夢の中にいるような感覚になる
  • 人格状態が切り替わり、行動や話し方、考え方が変化する

こうした状態は一時的に起こることもあれば、繰り返しみられることもあります。また、現れ方や程度には個人差があり、複数の状態がみられる場合もあります。

解離性障害の症状

解離性障害にはさまざまな症状があり、代表的なものとして以下の5つが挙げられます。

解離性健忘

重要な出来事や日常の記憶を突然思い出せなくなる症状です。特定の期間や出来事の記憶だけが失われる場合もあれば、自分の名前や過去の経歴などを思い出せなくなる場合もあります。

離人感・現実感消失症

自分の体や考えが自分のものではないように感じたり、まるで夢の中にいるような感覚になったりする症状です。

解離性同一症(DID)

複数の人格状態が交代して現れる症状です。それぞれが異なる記憶や感情、行動パターンを持つことがあり、人格状態ごとに記憶が共有されないため、自分の行動を思い出せないなどの症状がみられる場合があります。

解離性とん走

突然自宅や職場を離れて別の場所へ移動し、その間の記憶が曖昧になったり失われたりする症状です。短時間で終わることもありますが、長期間に及ぶ場合には遠方へ移動し、新しい生活を始めるケースもあります。

解離性運動障害

歩きにくくなる、手足が震える、力が入りにくくなるといった運動症状のほか、見えにくい・聞こえにくいなどの感覚症状がみられる場合があります。また、一時的な意識消失やけいれんのような発作症状が現れることもあります。

解離性障害の原因

解離性障害の原因は一つではなく、複数の要因が重なって発症すると考えられています。

幼少期の虐待(身体的・性的・精神的)、家庭内暴力(DV)、事故や災害などの強いストレスやトラウマ体験は、解離性障害の主な要因の一つです。解離は、強い苦痛から心を守るために、記憶や感情から距離を置こうとする防衛反応として生じるとされています。

ただし、トラウマ体験があっても、すべての人が発症するわけではありません。気質やストレスへの感じやすさ、脳の働き方の違いなども発症に関わると考えられています。

また、家庭や学校、職場での慢性的なストレスや孤立した環境も、発症や症状の悪化に影響すると考えられています。特に子どもの場合は、安全な環境や信頼できる大人の存在が、症状の軽減につながる可能性があります。

diagnosis

解離性障害の検査・診断

解離性障害は、症状や経過、生活への影響などを確認しながら診断します。必要に応じて心理検査や身体的な検査も行い、ほかの病気の可能性についても確認します。

問診

DSM-5などの国際的な診断基準に基づき、医師が対面で詳しくお話を伺います。記憶が抜け落ちる解離性健忘、自分を客観的に見ているような離人感、現実感が薄れる感覚、別の人格状態が現れる症状などについて確認します。症状が現れる状況や日常生活・仕事への影響なども確認し、現在の状態を総合的に判断して診断を行います。

心理検査

DES(解離経験尺度)などのスクリーニングテストや各種心理検査を用いて、解離症状の程度や心の状態を確認します。公認心理師などと連携し、患者さんの負担や不安に配慮しながら実施します。目に見えにくい解離症状について、検査結果を診察内容と合わせて確認し、症状の程度を把握したうえで、治療方針を検討します。

精神疾患や心理面の評価

解離症状の背景には、過去の強いトラウマ体験やPTSD、うつ病、不安障害、発達障害(ASDなど)の特性が関係している場合があります。医師による問診や心理評価を通じて、併存する疾患や背景にある要因がないかを確認します。解離症状だけでなく、関連する症状や生活上の困りごとも含めて状態を把握し、治療や支援の方針を検討します。

てんかんや脳疾患などの鑑別診断

記憶消失や意識の変化などの症状は、てんかん(側頭葉てんかんなど)や脳の病気、内分泌異常、薬物の影響などでもみられることがあります。そのため、必要に応じて血液検査などを行います。頭部MRIや脳波検査などの専門的な検査が必要と医師が判断した場合は、対応可能な医療機関をご紹介します。ほかの病気との違いも確認しながら、診断を進めます。


treatment

解離性障害の治療法

解離性障害の治療では、症状や生活上の困りごとに応じて、心理教育や心理療法、薬物療法、ご家族への支援などを行います。

01

安心できる環境づくりと心理教育

解離性障害の治療では、患者さんが安心して過ごせる環境を整え、解離への対処法を身につけることを重視します。医師や公認心理師とともに解離症状の仕組みを学び、強いストレスに対する心の反応について理解を深めます。また、五感を使って周囲の状況を確認するグラウンディング(現実につなぎとめる方法)などを取り入れ、解離が起きたときの対処法を身につけます。

02

精神療法・カウンセリング

心理療法では、安全の確保や状態の安定を考慮しながら、段階的に治療を進めます。公認心理師などの専門家とともに、感情を調整するための弁証法的行動療法(DBT)や認知行動療法(CBT)などを用いて、解離を引き起こすストレスへの対処法を学びます。無理にトラウマ体験を振り返るのではなく、まずは日常生活での困りごとや感情の整理などから取り組みます。

03

薬物療法

解離症状そのものを直接治療する薬はありませんが、強い不安や抑うつ、不眠、イライラなどの症状に対して薬物療法を行うことがあります。抗うつ薬(SSRIなど)や抗不安薬などを、患者さんの状態に合わせて使用します。薬の種類や量は、症状や体調を確認しながら調整し、日常生活で感じている不調への対応を行います。

04

ご家族への支援と環境調整

解離性障害では、ご家族や周囲の方が症状を理解し、落ち着いて関わることが大切です。記憶が抜ける、状態が変化するといった症状について、ご家族が責めたり過度に反応したりせず、適切に対応できるよう心理教育を行います。また、ご家族が一人で悩みや負担を抱え込まないようお悩みを伺い、必要に応じて職場や学校などの環境調整についても検討します。

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解離性障害の受診目安

以下のような症状がみられる場合は、医療機関への受診を検討してください。

  • 気づくと時間が経っており、自分の言動や重要な出来事を思い出せない
  • 自分の身体や感情を遠くから見ているような感覚や、現実感がない感覚がある
  • 周囲から「急に人が変わった」「別人のような口調だった」と指摘される
  • 身に覚えのない買い物や外出をしており、気づくと見知らぬ場所にいる
  • 自分の持ち物や部屋の物が変わっているが、購入や移動した記憶がない
  • 検査で異常がないにもかかわらず、声が出ない、体に力が入らない、意識が遠のくなどの症状がある
  • 強いストレスやショックを受けると、頭が真っ白になったり、思考や身体が動かなくなったりする
  • 強い不安や抑うつ、不眠が続き、自分を傷つけるような行動がある

このような症状が気になっている場合は、一人で抱え込まず医療機関に相談してください。

解離性障害でよくある誤解

解離性障害は、以下のような誤解をされることも少なくありません。

  • 演技をしているのではないか
  • 嘘をついている
  • 性格や意志の問題

しかし、解離性障害の症状は本人が意図的に起こしているものではありません。記憶が抜け落ちたり、普段とは異なる行動をとったりするのは、強いストレスやトラウマに対する心の反応と考えられています。そのため、「仮病」や「大げさ」と決めつけることは、本人を深く傷つける可能性があります。

また、解離性障害は、性格や意志の弱さによって起こるものでもありません。医学的な診断基準に基づいて診断される精神疾患であり、症状や状態に応じて治療が行われます。

support

当院の解離性障害への取り組み

当院では、解離性障害をはじめとする精神疾患に対して、患者様一人ひとりの状態に寄り添った診療を行っています。

対応できる治療・サポート体制

当院では、日本精神神経学会 精神科専門医が心身の状態や症状の背景を確認します。解離症状には、過去のトラウマや発達特性、脳疾患やてんかんなどの身体疾患が関係している場合があります。必要に応じて専門医療機関とも連携し、一人ひとりの状態に合わせて治療方針を検討します。

また、公認心理師の心理療法やカウンセリングにも対応しています。安全の確保やグラウンディングなど、現在の状態に合わせた方法から段階的に取り組みます。認知行動療法(CBT)などの手法も取り入れ、無理にトラウマに触れるのではなく、患者さんのペースに合わせて治療を進めます。

初めて受診される方へ

初診では、ご予約・来院後の問診票記入、医師による診察、必要に応じた処方や次回予約のご案内という順序で進みます。初診の診察時間は10〜15分程度が目安です。なお、混雑状況によっては、診察まで30〜40分程度お待ちいただく場合があります。気になっていることや日頃感じている違和感など、思いつくままにお話しいただくだけで構いません。ご家族の付き添いにも対応しており、一緒に診察室に入っていただくことも可能です。一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。

FAQ

解離性障害に関するよくある質問

解離性障害について、患者様やご家族から寄せられる質問にお答えします。

Q

解離性障害は何科を受診すればよいですか?

A

解離性障害が疑われる場合は、まず精神科や心療内科のあるクリニック・病院を受診しましょう。手足のしびれや麻痺などの身体症状が強い場合は、身体的な病気が隠れていないか確認するため、必要に応じて脳神経外科などの専門科を紹介することがあります。

Q

家族はどのように接すればよいですか?

A

解離性障害の方に対して、「嘘をついている」「おかしい」などと責めたり否定したりすると、症状が悪化する可能性があります。まずは、本人がつらい思いをしていることを理解し、穏やかな態度で接することが大切です。 また、症状について無理に聞き出したり、記憶を思い出させようとしたりすることは避け、本人のペースを尊重しましょう。不安なことがあれば、家族だけで抱え込まず、医療機関に相談することも大切です。

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まずはお気軽にご相談ください

解離性障害は、記憶や意識、自己認識などに影響が現れる精神疾患です。「受診するほどではないかもしれない」と感じている方も、ぜひ一度、当院までご相談ください。
むすびメンタルクリニックは、大阪・京橋駅から徒歩2分の心療内科・精神科です。子どもから高齢者まで幅広い年代の患者さんに対応しており、患者さん一人ひとりに寄り添った診療を行っています。