選択性緘黙の原因は一つではなく、不安の強さ・生まれつきの気質・環境的な要因が複合的に関与していると考えられています。
不安の強さ
選択性緘黙は、対人場面への強い不安が大きく関係しています。人前で話す場面での強い不安によって、言葉が出にくくなります。話したいという気持ちはあっても、「人に見られている」「失敗したらどうしよう」という不安が強くなり、緊張が高まって声が出なくなります。
この不安反応は本人の意志でコントロールできるものではなく、叱責や強制によって改善するものでもないため、周囲の理解と適切な支援が大切です。
生まれつきの気質
生まれつき新しい環境や変化に敏感な気質を持つ子どもは、選択性緘黙を発症するリスクが高いとされています。この気質は遺伝的な要素が関与していると考えられており、保護者や家族の育て方が原因というわけではありません。内向的・慎重・感受性が強いといった特性が、不安の感じやすさと重なることで症状が現れやすくなると考えられています。
環境的な要因
転園・転校・入学・引越しといった環境の変化、家庭内の不和やストレスの多い状況、あるいは言語的・文化的な違い(バイリンガル環境など)も、症状が現れるきっかけになることがあります。環境の変化が強い不安のきっかけとなり、特定の場面で話せない状態が続いてしまうケースもあります。
ただし、環境要因のみで発症するわけではなく、生まれ持った気質や不安の感じやすさなど、さまざまな要因が重なって症状が現れると考えられています。



