ADHDには「不注意」「多動性」「衝動性」という3つの行動特性があります。それぞれの特徴を具体的に見ていきます。
不注意
不注意とは、集中した状態を維持したり、細かい部分まで注意を向け続けたりすることが難しい状態を指します。例えば、「ケアレスミスが多い」「話を最後まで聞き続けるのが苦手」「物をよく失くす」「約束や締め切りを忘れてしまう」などの形で日常生活に現れます。
本人は注意を向けようとしていても、周囲の刺激などによって意識がそれやすく、「やる気がない」「不注意すぎる」と誤解されることも少なくありません。しかし、これは性格や努力不足ではなく、脳機能の特性によるものです。特に、興味を持ちにくい作業や複数の手順が必要な作業では、困難が生じやすい傾向があります。
多動性
多動性とは、状況に応じて行動を抑えることが難しく、落ち着きのなさや過剰な動きがみられる状態です。子どもの場合は、「授業中に席を立ってしまう」「じっと座っていることが苦手」「常に体を動かしている」といった形で現れることがあります。
一方、大人になると目立った身体的な多動は減る傾向がありますが、「何かしていないと落ち着かない」「頭の中で考えが次々と浮かぶ」「会議中に手足を動かしてしまう」など、内面的な落ち着きのなさとして続くケースもあります。そのため、仕事や家庭生活の中で集中しづらさや周囲とのすれ違いにつながることもあります。
衝動性
衝動性とは、行動や発言をする前に十分に考えることが難しく、思いついたまま反応してしまう状態です。例えば、「相手の話を最後まで聞かずに話し始めてしまう」「順番を待つのが苦手」「感情的に反応して後から後悔する」といった形で現れることがあります。
衝動的な行動は本人にとってもコントロールが難しく、「なぜあのような行動をしてしまったのだろう」と自己嫌悪につながることもあります。また、買い物や予定変更を勢いで決めてしまうなど、金銭管理や時間管理に影響が出る場合もあり、日常生活や対人関係で困りごとにつながることがあります。