診療内科・精神科・児童精神科 むすびメンタルクリニック

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ゲーム依存症

disease

ゲーム依存症について

「ゲームが頭から離れない」「やめようとしてもやめられない」といった状態が続いている場合、ゲーム依存症(ゲーム障害)の可能性があります。ゲーム依存症は、意志の弱さや性格の問題ではなく、医療的な対応が必要となる状態です。
本記事では、ゲーム依存症の定義・症状・原因・治療法まで、幅広く解説します。ご自身や家族の状態が気になる方は、ぜひ参考にしてください。

ゲーム依存症とは

ゲーム依存症(ゲーム障害)とは、ゲームをする時間や頻度を自分でコントロールできなくなり、日常生活や学校・仕事などに大きな支障が生じている状態を指します。ゲーム依存は、WHO(世界保健機関)により、疾病として認定されています。

ただし、利用時間が長いだけでゲーム依存症と診断されるわけではありません。生活への影響の大きさや行動の変化が、診断における重要な判断材料となります。

ゲーム依存症の主な症状

ゲーム依存症には、行動面や精神面、身体面にさまざまな症状があらわれます。ここでは代表的な症状を紹介します。

ゲーム時間をコントロールできない

「あと少しだけ」と思いながらも、気づけば数時間が経過しているという状況が繰り返されます。自分でルールを決めても守れない、「今日は1時間だけ」と決めたのに気づけば深夜になっていた、といった状態は、ゲーム時間を自分で調整できなくなっているサインです。

このような状態は、ゲームによる楽しさや達成感を強く求めるようになることで起こると考えられており、本人の意志だけでは改善が難しい場合があります。

ゲームをやめるとイライラ・不安が出る

ゲームができない状況になると、強いイライラや不安、落ち着かない気持ちがあらわれることがあります。

家族にゲームを止められると激しく反発したり、外出中もゲームのことばかり考えてしまったりする場合は注意が必要です。このような不快な気持ちは、ゲームを再開すると一時的に和らぐため、結果的にやめにくい悪循環につながることがあります。

昼夜逆転してしまう

深夜や早朝までゲームを続けることで睡眠リズムが乱れ、昼夜逆転の生活になるケースが少なくありません。

睡眠不足が続くと、集中力の低下や疲れやすさ、気分の不安定さなどの問題が生じやすくなります。特に成長期の子どもでは、睡眠の乱れが心身の発達に影響を与える可能性があります。また、大人の場合でも、生活リズムの乱れによって外出や人との交流が減り、引きこもりの状態が長引くこともあります。

学業・仕事・家事に支障が出る

ゲームを優先するあまり、学校や仕事、家事などの日常生活に支障が出るようになります。

宿題や課題を後回しにする、仕事を休みがちになる、食事や入浴など基本的な生活習慣が乱れるといった状態は、ゲームの影響が生活全体に及んでいるサインです。

こうした状態が続くと、学業成績の低下や失業、家族関係の悪化などにつながることがあります。

ゲーム以外への興味が薄れる

以前は楽しんでいた趣味や友人との交流、家族との時間に関心を持てなくなることがあります。

ゲーム以外のことを「つまらない」「面倒」と感じるようになり、生活の中心がゲームに偏っていきます。 このような状態が続くと、気分の落ち込みや周囲との関わりの減少につながることもあるため、早めに精神科や心療内科へ相談することが重要です。

ゲーム依存症の原因

ゲーム依存症の主な原因として、以下が挙げられます。

  • ゲームで達成感や満足感を得やすい
  • 継続してプレイしたくなるゲームの仕組み
  • ストレスの発散や現実逃避
  • 孤独感や居場所のなさ
  • 発達障害や精神疾患の影響
  • 家庭環境や生活環境の影響

ゲーム依存症は、一つの原因だけで発症するものではありません。ゲームではレベルアップやアイテム獲得などを通じて達成感や満足感を得られるため、プレイを繰り返したくなることがあります。また、多くのゲームには利用者が長く遊び続けられるような仕組みがあり、プレイ時間が徐々に長くなることがあります。

さらに、学業や仕事、人間関係のストレスから逃れる手段としてゲームを利用するうちに、依存へと発展する場合、現実世界で孤独感を抱えている人が、オンラインゲーム内のコミュニティに居場所を見出すケースもあります。

そのほか、ADHDやASD、うつ病、不安障害などの発達障害・精神疾患が背景にある場合や、ゲーム利用に関するルールが曖昧な家庭環境、家族とのコミュニケーション不足なども、ゲーム依存症のリスクを高める要因と考えられています。

ゲーム依存症の影響・危険性

ゲーム依存症によって生じる主な影響は以下のとおりです。

  • 睡眠不足や運動不足などによる身体への影響
  • 不安やイライラなど精神面への影響
  • 学業や仕事への悪影響
  • 家族関係の悪化
  • 社会的孤立
  • ほかの精神疾患との関連

ゲーム依存症が進行すると、長時間のゲームプレイによって睡眠不足や運動不足、食生活の乱れが生じやすくなります。その結果、肥満や体力低下、視力の低下などにつながることがあります。

また、ゲームができない状況で強い不安やイライラを感じることがあり、精神面にも影響を及ぼします。さらに、ゲームを優先することで学校を休みがちになったり、成績が低下したり、仕事に集中できなくなったりするケースもみられます。

そのほか、ゲーム依存症はうつ病や不安障害、睡眠障害などの精神疾患と関連することがあり、併発するケースもあります。問題が深刻化する前に、早めに専門機関へ相談することが重要です。

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ゲーム依存症の検査・診断

ゲーム依存症の診断では、ゲームの利用状況や日常生活への影響などを総合的に確認します。ここでは主な検査・診断方法を紹介します。

問診

ゲーム依存症の診断では、まず医師が現在のゲーム利用状況や生活への影響について詳しくお聞きします。 ゲームをやめたいと思ってもやめられない状態が続いていないか、ゲームを優先することで睡眠や学業、仕事、家族関係に影響が出ていないかなどを確認します。また、精神状態や身体症状の有無についても確認し、ゲーム依存症の可能性を総合的に評価します。

他の病気や特性の確認

ゲーム依存症の背景には、ADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉スペクトラム症)などの発達障害、うつ病や適応障害などが関係していることがあります。 そのため、ゲームへの没頭がどのような理由で起きているのかを確認し、ほかの病気や特性が隠れていないかを診察します。背景にある問題を把握することで、一人ひとりに合った治療につなげることができます。

ゲーム依存症状の数値化

必要に応じて、ゲーム依存症の程度を確認するための質問票を使用します。 質問票では、ゲームへのこだわりの強さや、ゲームができないときの気持ちの変化、日常生活への影響などを確認します。現在の状態を数値で把握することで、本人やご家族が状況を理解しやすくなり、治療の経過や改善状況を確認する際にも役立ちます。


treatment

ゲーム依存症の治療法

ゲーム依存症の治療は、症状の程度や原因に合わせて複数の方法を組み合わせながら進めます。

01

ゲームとの距離を取るための環境調整

ゲーム依存症の治療では、まずゲームと適切な距離を取るための環境づくりを行います。
たとえば、利用時間のルールを決めたり、利用を管理・制限する機能(ペアレンタルコントロール)を活用したり、ゲーム機やスマートフォンを手の届きにくい場所に保管したりする方法があります。
また、ゲームに費やしていた時間を埋めるために、スポーツや趣味、人との交流など、ゲーム以外で楽しみや達成感を得られる活動を増やしていくことも大切です。

02

認知行動療法

認知行動療法では、「どのようなときにゲームをしたくなるのか」を一緒に整理していきます。
ストレスや不安、退屈さ、孤独感など、ゲームに頼りやすくなるきっかけを把握し、ゲーム以外の方法で気分転換やストレス解消ができるように支援します。ゲームを完全に禁止するのではなく、生活に支障のない範囲で上手に付き合えるよう、自己管理の力を身につけていく治療です。

03

薬物療法

現在のところ、ゲーム依存症そのものを直接治す薬はありません。
しかし、ADHD(注意欠如・多動症)やうつ病、不安障害、睡眠障害などが背景にある場合は、それらの症状に対して薬物療法をすることがあります。
背景にある症状への対応を検討することで、生活全体の状況を見直すきっかけとなる場合があります。

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ゲーム依存症の子どもに親ができることとは

子どものゲーム依存が疑われるときは、親の関わり方が改善に大きく影響します。
まず大切なのは、頭ごなしに叱ったりゲームを一方的に取り上げたりするのではなく、子どもの気持ちに寄り添い、
なぜゲームに強くのめり込んでいるのかを理解しようとすることです。

具体的には、ゲームの利用ルールを家族で話し合って決める、ゲーム以外で楽しめる活動を一緒に探す、学校生活や友人関係に悩みがないか定期的に確認するといった関わりが大切です。また、子ども自身が「ゲームとの付き合い方を見直したい」と思えるような信頼関係を築くことも、改善につながります。

保護者だけで抱え込まず、学校や医療機関、公的な相談窓口を活用することも大切です。対応に悩んだり不安を感じたりしたときは、早めに専門家へ相談しましょう。

diagnosis

ゲーム依存症の受診目安

ゲーム依存症は、単にゲームが好きな状態とは異なり、日常生活に支障が生じていることが特徴です。以下のような状態がみられる場合は、精神科や心療内科への相談を検討しましょう。

  • ゲームの利用時間を自分でコントロールできない
  • 学校や仕事、家事に支障が出ている
  • ゲーム以外の趣味や人付き合いへの関心が低下している
  • 課金などによる金銭的なトラブルがある
  • ゲームができないと強いイライラや不安を感じる
  • ゲームのことばかり考えてしまう
  • 昼夜逆転や睡眠不足が続いている
  • 食事や入浴などの日常生活がおろそかになっている

このような状態が続いている場合は、専門的な支援が必要な可能性があります。早めに相談することで、現在の状態を整理し、必要な支援や治療方針を検討しやすくなります。

support

当院のゲーム依存症への取り組み

当院では、ゲーム依存症を精神科・心療内科の専門疾患として位置づけ、患者さま一人ひとりの状態に合わせた治療・サポートを提供しています。

対応できる治療・サポート体制

当院では、ゲーム依存症の治療において、症状の背景にあるADHD(注意欠如・多動症)などの発達特性や心理的な要因も含めて丁寧に確認し、状態や生活背景を踏まえながら治療方針を検討しています。ゲームにのめり込んでしまう理由を医師が一緒に整理し、ご本人とご家族の両方にとって無理のない形で治療を進めていきます。

また、専門スタッフと一対一で取り組む個別心理療法も行っており、集団での治療に不安がある方でも安心して相談できる体制を整えています。ゲームに頼りたくなるきっかけや生活リズムを整理しながら、ストレスへの対処方法や日常生活の整え方を身につけていきます。

症状が重い場合には、専門医療機関と連携し、必要に応じて適切な医療機関をご紹介します。治療後も継続して経過を見守り、再びゲーム依存の状態に戻らないようにサポートを行います。

薬物療法については、ゲーム依存症そのものを直接治す薬はありませんが、ADHDやうつ病、不安障害、睡眠障害などが背景にある場合には、必要に応じて薬による治療を行います。症状の改善によりゲームへの強いこだわりや衝動性が和らぐこともあり、副作用にも配慮しながら慎重に治療を進めていきます。

初めて受診される方へ

初診の流れは、Web予約またはお電話でのご予約から始まります。来院後は問診票にご記入いただき、医師による診察(約30〜60分)を受けていただきます。診察後は、症状や状況に応じて処方・カウンセリング・次回予約などをご案内します。

「何を話せばいいかわからない」という方も心配ありません。気になっていること、困っていることを、思いつくままにお話しいただければ、担当医師が丁寧にお聞きします。ご家族の付き添いにも対応しており、ご本人が話しにくい場合は家族からの情報提供も診察の参考にさせていただきます。

FAQ

ゲーム依存症に関するよくある質問

ゲーム依存症についてよく寄せられる質問にお答えします。

Q

ゲーム依存症は自分で治せますか?

A

軽度の段階であれば、生活リズムの見直しやゲームのルールづくりなどで改善がみられることもあります。ただし、やめたくてもやめられない状態が続いたり、学校や仕事など日常生活に支障が出ている場合は、自分だけでの改善が難しいことも少なくありません。
ゲーム依存症は、医療機関で現在の状態の評価や支援・治療について相談することができます。一人で抱え込まず、早めに専門機関へ相談することが大切です。

Q

ゲームを取り上げるだけで改善しますか?

A

ゲームを急に取り上げたり禁止したりすると、強い反発や不安、怒りが生じることがあり、根本的な改善につながりにくい場合があります。ゲーム依存症の背景には、ストレスや孤独感、発達特性、精神的な不調など、さまざまな要因が関係していることがあるためです。 一時的にゲーム時間が減っても、原因がそのままだと別の問題行動につながることもあります。そのため、医療機関で相談しながら、生活全体を整えていくことが大切です。

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